がん治療はお金で「選択肢」が変わる?治せる時代のリアルな現実と備え、という話




保険について

こんにちは。

長年この業界に身を置いていると、医療の進歩とともに「病気と保険の関わり方」が劇的に変わってきているなぁ、、、と肌で感じたりします。特に「がん」に関する医療と費用のリアルは、20年前と今とでは全く別物と言っても過言ではありません。

今回は、ガラリと変わった「最新のがん治療の現実」と、現場のプロとして切実に感じている「治療法が選べる幸福と、お金がないことによるどうしようもない無力感」について、詳しくお話ししたいと思います。

最後までよろしくお願いいたします。

がんは「不治の病」から「お金で治せる病気」へ変わった

かつての「がん」といえば、宣告された時点で死を覚悟しなければならない「不治の病」の代名詞でした。しかし現在、その常識は完全に過去のものとなりつつあります。

医療技術の進歩がもたらした「生存率の上昇」

国立がん研究センターが公表している「がん統計」のデータによると、全がんの5年相対生存率は年々向上しており、早期発見・早期治療を行えば多くの種類のがんで克服・長期間のサバイバルが可能になっています。

最新がん統計:[国立がん研究センター がん統計]
国立がん研究センターが運営する公式サイトです。

現在のがん治療は、かつてのように「長期間入院して手術をし、退院する」というスタイルから、「通院しながら最新の抗がん剤や分子標的薬、放射線治療を受け、社会復帰を目指す」という『通院・長期治療型』へ大きくシフトしています。

「治せる時代」だからこそ直面する費用の壁

「がんが治せる病気になった」ということは、患者さんやご家族にとって最大の希望です。しかし、その裏側で新たな問題が浮き彫りになってきました。

それが「治療が長期化し、最新の治療法を試すほど、多額の費用が必要になる」という現実です。

現代のがん治療において、患者さんの命やQOL(生活の質)を左右するのは、医師の腕や病気の段階だけではありません。残酷かもしれませんが、「その治療を受けるための経済的余裕(お金)があるかどうか」が、治療の選択肢を大きく左右する時代になっているのです。

標準治療(保険診療)だけで十分?現場で直面する「選ぶ余地のなさ」

「日本には公的な公的医療保険制度(高額療養費制度)があるから、どんな大病にかかっても大丈夫」と考えている方は非常に多くいらっしゃるかもしれません。

確かに、日本の高額療養費制度は世界的に見ても極めて優れているのだろうと思います。

高額療養費制度の凄さと「カバーできない範囲」

厚生労働省の「高額療養費制度を利用される皆さまへ」によれば、1ヶ月の医療費がどれだけ高額になっても、年収に応じた自己負担上限額(一般的な中間所得層で月額約8万円〜9万円程度)を超えた分は公的保険から支給されます。

高額療養費制度を利用される皆さまへ
高額療養費制度を利用される皆さまへについて紹介しています。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。高額療養費制度が適用されるのは、あくまで公的医療保険が効く「標準治療(保険診療)」の範囲内のみだということです。

「標準治療」とは「最高峰の治療」ではない

勘違いされやすいのですが、医療における「標準治療」とは、「科学的根拠(エビデンス)に基づき、現時点で安全かつ効果的と認められた治療」のことであり、「あらゆる選択肢の中で最も手厚い・最新の治療」という意味ではありません。

保険診療の枠組みの中で行われる治療においては、国が定めた薬や治療法しか使用できません。そのため、以下のような制限にぶつかることになります。

  • 抗がん剤の選択肢が限られる: 海外では承認・使用されている効果的な最新の抗がん剤や分子標的薬であっても、日本で薬事承認や保険適用がされていない場合、保険診療として受けることはできません。
  • 副作用を抑える新薬が使えない: 体への負担を劇的に軽減する最新の投与法や薬剤が、保険適用外(自由診療)指定になっているケースが多々あります。
  • 「治療の組み合わせ」に制限がある: 保険診療と保険外診療(自由診療)を同時に行うと、原則として全額自己負担(混合診療の禁止)となるため、選択肢が制限されます。

つまり、保険診療のみに頼る場合、「自分にとって最も効果があるかもしれない最新の治療法があっても、選ぶ余地すら与えられない」という事態が起こり得るのです。

高額な保険外診療・先進医療・患者申出制度のリアル

保険適用外の治療を選択する場合、費用は全額自己負担となります。代表的なのが「先進医療」や「患者申出制度」、そして「自由診療」です。

先進医療(重粒子線治療・陽子線治療など)

厚生労働省が定める「先進医療の概要」(厚生労働省高額療養費制度を利用される皆さまへ)やQST病院の費用案内(令和6年6月より新たに保険適用となる疾患に関するご案内)によれば、重粒子線治療や陽子線治療などの先進的医療は、骨軟部腫瘍・頭頸部腫瘍・前立腺がん・膵がん・肝がんなど一部の対象部位・病状については段階的に公的保険が適用(保険診療)されるようになっています。

しかし、公的保険適用の対象外となる部位や段階・症状で治療を受ける場合は「先進医療」の扱いとなり、技術料(約300万〜350万円)が全額自己負担となります。高額療養費制度の対象外となるため、この数百万の費用はそのまま自分で用意しなければなりません。

先進医療の概要について
令和6年6月より新たに保険適用となる疾患について - QST病院|重粒子線治療(がん治療)

患者申出制度(保険外併用療養制度)

未承認薬などを迅速に使えるようにする厚生労働省の「患者申出制度」(「患者申出療養」制度とは?)もありますが、こちらも臨床研究や対象薬にかかる費用の大部分は自己負担となり、数百万〜千万円単位の資金が必要となるケースが珍しくありません。

厚生労働省 患者申出療養制度

自由診療(海外の新薬や免疫細胞療法など)

日本未承認の最新抗がん剤を海外から輸入して投与する場合や、最新の免疫療法を受ける自由診療では、1回の投与で数十万円、1年間の治療で500万〜1,000万円以上の費用がかかることもあります。

お金がないことで味わう「どうしようもない無力感」

ご自身やご自身のご家族大切な方に当てはめて考えたとき、最も胸が締め付けられるのは「目の前に治せるかもしれない治療法が存在しているのに、お金がないために諦めざるを得ない瞬間」ではないでしょうか?

目の前にある希望を「見送る」悲しさ

医師からこう告げられたと想像してみてください。

「標準治療の抗がん剤は効かなくなってきました。しかし、まだ日本で保険適用になっていない最新の薬剤(自由診療)なら、効果が期待できる可能性があります。ただ、費用は月に100万円、年間で1,200万円ほどかかりますが、どうされますか?」

このとき、手元に十分な貯蓄があれば「ぜひその治療をお願いします」と言うこともできるでしょう。

しかし、もし十分なお金がなかったらどうでしょうか。

自分自身が患者であれば、「家族に家や貯金を遺してあげられないから、自分は標準治療のまま諦めよう」と自分の命を秤にかけることになるかもしれません。

もし患者が自分の愛する配偶者や子供、親であったなら、「自分の経済力のなさのせいで、大切な人を救えるかもしれない選択肢を奪ってしまった」という、生涯消えない深い後悔とどうしようもない無力感に苛まれることになことも考えられます。

治療法が選べるということ。それが「本当の幸福」

「お金で買えない価値がある」とはよく言われますが、少なくても現代のがん治療現場においては、「お金があるからこそ『治療法を選ぶ権利』が買える」というのが悲しくも紛れもない事実なのだろうと思います。

 〇副作用の少ない治療法を選び、働きながら治療を続ける幸福

 〇家族との時間を大切にしながら、最新の医療に望みを繋ぐ幸福

 〇「やれることはすべてやった」と納得して治療に向き合える幸福

「治療法が選べる」ということ、それ自体が現代社会のがん治療においての本当の幸福であり、安心そのものなのです。

なぜ「がん保険」が必要なのか?少額の備えが「選択肢」を買う

では、数千万円単位の自由診療費や高額な先進医療費を、すべて「自分の銀行口座の貯金」だけで準備できる人が世の中にどれだけいるでしょうか?

大半のご家庭にとって、現金で数百万円〜千万円単位の医療費を即座に用意するのは不可能なのではないかと思います。家を売ったり、子供の教育資金を切り崩したりしなければならなくなる可能性も大いにあります。

だからこそ、リスク管理のプロとしてお伝えしたいのが「がん保険の本当の価値」です。

保険とは「毎月わずかな金銭で『選択権』を買う仕組み」

がん保険の本質は、単に「病気になった時のお見舞い金」をもらうことではありません。

「毎月数千円という少額の保険料で、将来万が一がんになった時、お金の心配をせずに最高峰の治療法を自由に選べる『権利(選択権)』を買い確定させておくこと」

これこそが、がん保険に入る最大の意味なのだろうと我々は考えています。

現代のがん治療に適合した「がん保険」の選び方

今現在がん保険に入られている方、あるいはこれから検討される方は、以下のポイントがカバーされているか必ず確認してください。

  1. 先進医療特約が付いているか(通算2,000万円限度など)
    • 重粒子線治療などの技術料が補償されるか。
  2. 「通院給付・抗がん剤治療給付」が手厚いか
    • 入院日数に応じた保障だけでなく、長引く通院や毎月の抗がん剤・分子標的薬治療に対して月額定額で給付金が出るか。
  3. 自由診療(保険外診療)患者申出制度の治療までカバーできるタイプか
    • 最近では、欧米で承認された最新薬などの自由診療費用や患者申出制度での治療費を「かかった実費分(最大数千万円まで)」補償してくれるタイプのがん保険も登場しています。

貯金で数千万円を作るには何十年という歳月が必要ですが、がん保険であれば、加入し待機期間を過ぎた日から「選択肢」を確保することができます。

まとめ|あなたとご家族は「最善の選択肢」を持えていますか?

がんという病気になること自体を、自分の意志で100%防ぐことは不可能です。

しかし、「万が一がんになってしまった時に、自分や家族がどのような選択肢を持てるか」は、今この瞬間の備えによって100%コントロールすることができます。

  • 今入っている自分の保険で、最新の治療や先進医療がどこまでカバーされるのか?
  • もし自由診療が必要になった時、お金を理由に諦めずに済む保障内容になっているか?

「自分や大切な家族が、いつでも最高の治療法を選択できる幸福」を守るために。ぜひ一度、ご自身やご家族が入られている保険の証券を開いて、保障内容を点検してみてください。

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