ドライブレコーダーは事故解決の際、証拠能力があるの?という話




ドライブレコーダーの証拠能力 事故例

近年、いわゆるあおり運転や交通事故にあった際の記録の保存ということで、自動車にドライブレコーダーを付けた、または、付けることを検討しているという人は随分多いのではないでしょうか。

では、実際に交通事故にあった際、ドライブレコーダーの動画データってどの程度の存在価値があるものなのでしょうか。

弁護士のおはなし

事故例の前に、先日、弁護士の先生とお話をした際、先生がしていたドライブレコーダーのお話をお伝えします。

先生曰く、

「数年前までは、ドライブレコーダーの動画がある、といってもそれほど重要視されませんでしたが、近年は、動画の解像度が上がっていることも関係しているのか、ドライブレコーダーの記録があれば一発です。」

何が一発なのかは不明ですが、とにかく交通事故における証拠能力は非常に高い、という事のようです。

それでは下記をお読みください。書いている物語はフィクションですのでそのつもりでお読みください。

ご挨拶&設定

こんにちは。ご訪問頂きましてありがとうございます。さて今回の設定は次の通り。

登場人物

 私・・・保険代理店勤務

 A氏・・「私」の所属代理店の自動車保険ご契約者(70代男性)

 B氏・・今回事故の相手側当事者(40代男性)

 C氏・・担当警察官

夜更けの電話

ある冬の日の夜、そろそろ20時を過ぎようかというころ、1本の電話が鳴りました。A氏からの電話です。何かあったかな?と思い、お話しを聞くと、

「今、国道〇〇号線で事故に遭いました。」とのこと。

落ち着くよう促し、状況をお聞きし、まとめたのがこちらです。

事故形態・・・出会い頭の接触事故

事故場所・・・信号のある交差点

動き・・・・・A氏 直進 B氏右折 A氏が交差点に差し掛かったところ、お相手B氏がA氏の右方向から交差点に進入、接触した。

双方ともにけがはなし。双方ともに自動車は自走可能な程度の損傷。

すぐに警察に連絡することと、これから事故現場に向かう旨お伝えし、事故現場に向かうことにしました。

混沌とした事故現場

事故現場に到着すると、ちょうど警察車両が来たところでした。私がするべきことをこなしながら、お話を聞いていると、どうもB氏がヒートアップしているようです。

担当警察官C氏に向かって

「このじーさん(自粛気味、もっと口汚い言葉)が信号無視して突っ込んできたからぶつかった!!俺は悪くない!!」と言っています。

確かに、上でも書いたように、今回の事故の現場は信号のある交差点です。ですから、この事故の発生原因は、どちらかが信号無視をしている可能性は高いと考えられます。

A氏も

「信号を凝視してたわけではないし、赤だったか青だったか正直よく覚えていない。」と言っています。それに勢いづいたB氏は

「お前が信号無視だ!弁償しろ!!」と息巻いています。

警察の事故処理も終わり、 当事者と私だけになってもB氏の勢いは止まりません。仕方なく私が、

「Bさんの言い分はよくわかりました。ですから、その意見はBさんの加入なさっている保険会社なり、保険代理店なりに伝えてください。ここで青だ赤だと言い争ってても前に進みません」と言い、何とかおさまったB氏と別れることにしました。

意外なものを発見

A氏と本当に信号のことは覚えていないのか、もしそうならこちらの分の悪い事故になるであろう等、軽く打ち合わせをした後、A氏とも別れようとしました。

私はA氏を見送る為、A氏が自身の自動車に乗り込むのを見るともなく見ていました。

そこでふと、フロントガラスあたりに目を向けると、気になる物体が見えました。

「Aさん、ちょっと待ってください!それ、ドライブレコーダーじゃないですか?」

と聞くと、Aさんは、よくわからんと。

「さっき警察にもそのドライブなんちゃらがついてるか?と聞かれたけどわからないので無い、と言いました。」

ドライブレコーダーを発見。そこに写っていたものは・・・

助手席に乗り込んで確認すると、はたして、ルームミラーのすぐ横にドライブレコーダーが装着されていました。

「Aさん。これをドライブレコーダーというんですよ。」

警察ももう少しきちんと確認すればよいのに、と思いながら、A氏から承諾を得てドライブレコーダーのメモリーカードをお借りしました。

翌日、朝早くに映像を確認すると、そこには青信号を直進するA氏と、当該交差点に、A氏の右側から減速もせずに進入してくるB氏の自動車が鮮明に映っていました。すぐにA氏に連絡し、このデータをもって警察に行くよう促しました。

事故解決

数時間後、A氏からかかった電話での報告によると、担当警察官C氏がその場でB氏に連絡を取り、厳しい口調で嘘をとがめた、とのことでした。

B氏の加入する保険会社にも事の顛末をつげ、くれぐれもA氏に失礼の無いようにすることを約束していただき、対応に当たって頂きました。 

その後はA氏の自動車の修理代を賠償してもらい、本件は終了となりました。

それにしてもけしからんのはB氏ですが、これもA氏の自動車にドライブレコーダーがついていたからこその解決です。もしドライブレコーダーがついていなかったら、B氏の意見が通っていたかもしれません。

少なくても今回のように、過失割合A氏0対B氏100という解決になることはなかったでしょう。  

まとめ

いかがでしょうか。このようなケースはわりと身近に起きているものだと私は感じています。「言ったもの勝ち」の風潮は悲しくもありますが、これが現実でもあります。

すでにドライブレコーダーを装着されている方は、万が一の際はきちんと役に立つという事をご理解いただけたかと思います。

また、ドライブレコーダーの購入、レンタルをご検討されている方には、その判断の一つの材料になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

タイトルとURLをコピーしました