我々保険募集人は、言葉の選定には十分に注意を払うべきだと考えます、という話は以前にもこちらでお話を致しました。

今回は10年ほど前に当社に顔を出してくれていた担当者から頂いた言葉です。
「社長、ずっと気になっていたのですが…その『二重否定』やめましょう!言葉がぼんやりしてしましいます。」
二重否定は、その言い方によっては、相手を煙に巻く、とか回りくどい、とかそういう風に取られることの多い表現です。
少し前の記事になりますが、日経クロステックの2019年3月5日、「イライラさせる日本語表現、5つのNGパターン」というタイトルの記事にも文章を書く際に気を付ける表現として「二重否定を使わない」と記載がありました。
ごあいさつ
こんにちは。
当ブログへお越しいただきましてありがとうございます。ほけんの事、事故の事、本の事、その他雑事を書き綴っております。ご一読いただけたら幸いです。
私のことはこちらをご覧ください。

今回は、「二重否定」について過去にご意見を頂いたことについてお伝えします。
二重否定とは
そもそも二重否定とはどのような表現でしょうか。
簡潔に記載があたのはコトバンクでした。
曰く、
『否定の言葉を二度重ねて肯定の意味を強めたり、その肯定を婉曲に表したりする語法。「辞退したいわけではない」「行かないわけではない」など。』※コトバンクより

どうでしょうか?結構耳にしたことがありませんか?
特に保険業界の皆さま、胸に手を当てて自問してみましょう。
うん、使っている。
という方も多いかもしれませんね。
否定の否定≒肯定??
我々の業界でよく聞かれる言い回しとしては、
「お支払いできないとは言っておりません」
「もうご加入できないわけではありません」
などが多いでしょうか。

なんとなく
回りくどい感じがしませんか?
あるいは
相手を煙に巻こうとしているようにも感じます。
その他にも、ちょっと行きたくないかな、、、というお誘い等に、
「いや、べつに行きたくないってわけではないのだけれど…」
「行かないとは言ってないです…」
など歯切れが悪く感じてしまうことも。
個人的になんとも日本的な言い回しだな、と感じます。
担当者からの一言
10年ほど前、当社の一部を担当してくれていた担当者がいます。少し遠方から定期的に顔を出してくれる当時20代後半くらいの男性担当者でした。
はきはきした話し方で好感の持てる人物で、当社の為にいろいろな施策を提案してくれました。

そんな彼が一押しです、と言って提案してくれた施策の一つに当時の私はどうも気乗りしない状態でした。言っている内容は良いと感じていましたが、どうも当社のスタッフ的に合わないような、なじまないような、そんな気がしていたのでした。
そこで私は、
人が足りない、時間がない、など「できない理由」を並べ立てた後で、
「でも、やらないとは言ってないよ」
と。
彼はこう言いました。
「社長、私ははっきり言って社長が好きです。だからこそ、会社に申し出て担当をさせていただいています。でも前から一つ気になっていたことがあるのでこの際だからお伝えします。」
「その二重否定、今日限りでやめましょう。」
まとめ
その後、(時折出ていますが)ビジネスの現場で二重否定の表現をすることはかなり少なくなりました。意識することで、使わなくなり、使わなくなるのが習慣化していっているようです。
先ほど、二重否定はなんとも日本的な表現と言いました。
きっぱりとダメと言わない、というのはやさしさでもある、かもしれません。
しかしながら、そのあいまいな表現により、話をしている相手が
「煙に巻かれている気がする」
「回りくどい」
挙句、
「何かイライラする」
などと感じてしまったら嫌ですよね。
私は、当時の担当者には感謝しています。そのことに気づかせてくれましたので。
普段の会話の中でたくさんの指導を頂き、日々ほんの少しづつでも成長しながら進んでいけたら良いな、と感じております。

「成長できないとは言っていない。」
とならないように頑張っていきたいですね。
大変雑駁な内容になってしまいましたが、最後までお読み頂きましてありがとうございました。