「自動車保険の補償内容がよくわからないから、教えてほしいのですが…」という補償の内容確認と補償の見直しのお話を頂くことがあります。その場合、現在ご加入の自動車保険証券等をお手元にご用意いただき、一緒にその中身をご確認いただくのですが。
複数台自動車を保有されている方の補償確認・見直しの場合、注目する部分の一つに保険料(掛け金)の無駄払いの有無が挙げられます。
今回は重複付保が無駄払いになる可能性が高い「弁護士費用補償特約」についてお話します。家計節約の一助になれば幸いです。
弁護士費用補償特約とは
こんにちは。当ブログへお越しいただきましてありがとうございます。
今回は弁護士費用補償特約の重複加入についてお話します。重複をご確認いただくことでご家庭の保険料の無駄を省く補償としては「個人賠償責任保険」というものもありますが、ご興味あればこちらをご確認ください。

早速ですが、弁護士費用特約とはどのような内容なのでしょうか。
今回は三井住友海上火災保険の自動車保険「GK クルマの保険」の補償内容を例にとってみます。
※記載内容は記事作成時のものです。詳細は三井住友海上火災保険のHPをご確認ください。
※以下、枠内の文章は三井住友海上火災のHPの抜粋です。
弁護士費用に関する特約
事故で一方的に被害にあい、相手に治療費を請求したが交渉に応じてくれない場合などに、交渉を弁護士に依頼する費用を補償します。
※出典三井住友海上ホームページ
とあります。三井住友海上の弁護士費用補償特約、「弁護士費用に関する特約」では、①自動車・日常生活事故型
②自動車事故型
③自動車・自転車事故型(別途特約要)
の三通りがありますが、今回は②の自動車事故型の補償内容を紹介します。
事故で相手との交渉を弁護士に依頼する場合に、被保険者1名につきそれぞれ300万円を限度に弁護士・損害賠償請求等費用保険金をお支払いします。また、弁護士、司法書士または行政書士に法律相談を行う場合に、被保険者1名につきそれぞれ10万円を限度に法律相談費用保険金をお支払いします。
※これらの特約をご契約のお車以外の自動車保険にもセットした場合は、補償が重複しますので、補償内容をご確認ください。
※出典:三井住友海上ホームページ
三井住友海上火災の「弁護士費用に関する特約」に限らず、一般的な弁護士費用特約は、上記のように「一方的に被害にあい」とあります。そもそもの適用条件を今一度整理しておくことも大切かもしれません。
また、注意書きにはっきりと、「ご契約のお車以外の自動車保険にセットした場合は、補償が重複しますので」とあります。
重複?でも保険会社が違う場合は?
これは、ご加入の自動車保険がすべて三井住友海上の自動車保険の場合、つまり、同じ保険会社で保険加入している場合のみ、の考え方なのでしょうか。
結論から言うと、基本的には、別々の保険会社で加入しており、それぞれの保険会社で弁護士費用特約を付保している場合でも同様です。
例えば、
A氏宅
トヨタ ヴォクシー(東京海上日動火災の自動車保険加入・弁護士費用補償特約有)
ホンダ N-BOX(三井住友海上の自動車保険・弁護士費用補償特約有)
というように別々の保険会社でそれぞれ弁護士費用特約を付保した場合でも同様に重複している、と考えます。
なぜこのようなことが起きてしまうのか?
では、このようなことがなぜ起きてしまうのでしょうか。
原因はいくつか考えられるとは思いますが、代表的なものを二つご紹介します。
それぞれの自動車でご契約を締結する方が違う
ご家庭のお車が、ご主人の通勤用、奥様の通勤用、と別れており、それぞれのお車のご契約手続きを、ご主人、奥様、それぞれが行っている。
そんな時、お互いのご契約内容の共有が完全でなく、どちらの自動車保険にも弁護士費用特約が付保されていることがあるようです。
それぞれの自動車保険を別々の保険会社でご加入している
お付き合い等々の兼ね合いで、別々の保険会社で自動車保険に加入している場合、どちらの自動車保険にも弁護士費用保険が付保されている、というケースがあるようです。
弁護士費用補償特約の重複加入がわかったら
自動車保険の弁護士費用補償特約がご家庭に一つあれば大丈夫、というのはお分かりいただけたかと思います。
そして、もし弁護士費用の重複が見つかった場合はどうしたらよいでしょうか。
その場合は、すぐに弁護士費用補償特約を一台付保のみにして、その他のご契約は特約を外すことをお勧めいたします。
自動車保険の弁護士費用補償特約も、保険料(掛け金)は増加傾向にあります。複数台の自動車保険に付保されている場合は二台目以降の保険料は全くの無駄な保険料になっている可能性が高いです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
皆さまがご加入している自動車保険に思ってもいない補償が付いていたとしても、万が一事故があった際、その補償がお役に立てるかもしれません。しかし重複の特約は基本的には無駄な保険料です。
(法人契約等一部例外はありますのでご注意・ご確認ください。)
ご家庭に複数台の自動車を持っており、自動車保険の内容ってどうだったかな??と思われる方がいたら、まずはお手元に保険証券を準備して補償内容を確認してみましょう。実際に年間5,000円程度節約できた、というお話も聞こえてきます。
今回は自動車保険の中の弁護士費用特約の重複についてお伝えを致しました。すこしでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
個人賠償責任保険の重複についてはこちら
